仕事前に気を付けるべきこと
空室清掃はアパートやマンション等の集合住宅であると言うことを理解する。朝早く、夜遅くは近隣へ迷惑になるので十分注意をする。夜勤で昼間寝ている方もいると言うことも忘れずに配慮しましょう。
※次亜塩素酸ナトリウムを次亜と略しています。
駐車場
現場に到着したら元請け指定の駐車場に停める。たまに指定場所に他の車が無断駐車している場合があります。アパート住人は、空室なので駐車場が空いている事を知って停めています。
この場合、正義を振りかざしてはいけません。速やかに元請けに報告し、判断を仰ぎます。直接話をするとトラブルの元になる可能性があります。
現場入室
部屋に入る鍵は発注書または作業指示書に書いてあるナンバーで開けます。
室内に入ったら通電、通水状態を確認します。洗面、キッチンは流しっぱなしにして室内の窓を開けながら、エアコンも稼働させ作業前に室内チェックをしておきます。
室内を一巡したら水を止めて詰まりはないか、水漏れはないか、水栓本体からの水漏れがないか。エアコンは正常か?のチェックをします。問題があればこの時点で元請けに報告。
電気は近年リモート通電してくれるのでよいとして、水が出なくて困る場合があります。地方によっては、水道開栓までに朝言ってお昼頃までかかるところもあります。
そういうところに限って特殊工具じゃないと開栓できないようになってたりします。田舎に多いパターンですが、田舎の集合住宅は共有水栓がある場合が多いです。役所が開栓に来るまで、それを使う手もあります。
不具合を知り得た時点でなぜ早く報告するべきなのか?
掃除屋が現場入りする時は、納期1日前が多いです。次の日、元請けスタッフさんが事前に下調べしておいた不具合個所の材料を持参し、修理や作業完了チェックを行います。
つまり工事最終日なので当日不具合があった場合、材料調達が間に合わないと言う状態となります。仕事を円滑に進めるためにはホウレンソウは大事です。
ちなみに「ホウレンソウ」とは、報告、連絡、相談の頭を取った言葉です。
繁忙期となると、完了日翌日引っ越して来る場合もあるので、トラブルはいち早く連絡しましょう。
それに・・・、あとから報告すると、おまえ壊したな~?? 詰まらせたな~??と疑われる可能性もあるからです(笑)
最近はLINEでやりとりする場合も増えてきていますので、写真を撮り一言付け加えて送っておけばよいです。
浸け置き出来るものは浸けておく
※浸け置き出来るものとして、水回りの排水パーツは次亜へ
※換気扇のプロペラやシロッコファン等の油汚れ類は苛性ソーダへ(化粧ネジ含む)
浸け置きとは、流し台、洗面台、浴室、洗濯パンの各排水口パーツ類を、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈しバケツなどの容器に浸け置きすることを言います。
12L広口バケツにカップ半分から1杯200mlを基準に、汚れに応じて加減して下さい。1ルーム1K等は早く現場が終わるので濃い目にするなどの工夫が必要です。長時間浸けるほど効果は高くなります。
浸けて置くだけでヌメリや汚れ落とし、除菌も出来、水ですすぐだけできれいになります。清掃前の段取りとしては重要な部類に入り、ゴシゴシこする手間を省くため最初にしておくべき事です。
また、換気扇のファンなども水で希釈した苛性ソーダに浸け置きします。油汚れがひどくて作業が早く終わりそうな現場や冬季で水温が低い場合、投げ込みヒーターで温めてあげます。長時間忘れてしまうと沸騰するので注意してください。
カビ取り及びトイレ便器の漂白
流し台、浴室のシーリング部分や、サッシ窓のビート部分などにカビがある場合は、原液から水で3倍程度に希釈した次亜を刷毛で塗布しておきます。各排水口にもスプレーしておきます。
希釈率はカビに応じて適宜加減し、キッチン回りのシーリングは油等で次亜を弾く場合があるので、先にアルカリ洗剤で擦って油分を取り除き次亜を塗れば効果が高いです。
※次亜は壁紙クロスに付着すると、変色の恐れがあるので注意が必要!私が知る限りでは紫、緑に変色します。
次亜で変色しやす場所
※腰窓清掃時木枠にあふれた次亜を含む汚水がクロスに垂れる
※トイレロータンク水面より内部に次亜をスプレーしたとき、ロータンク裏のクロスに次亜がかかってしまう
※エアコン清掃時の養生不足により、エアコン直下のクロスに垂れる
次亜が透明なので気づきにくいので気を付けます。
※金属部分には、次亜が付着しないようにする。
(短時間ならOKですが錆や変色の原因になります)
※乾燥すると白い粉となり、ただのナトリウム(塩)に変化するので
カビが取れない時は、乾かないよう重ね塗りをします。
次亜塩素酸ナトリウムの特性として乾燥、熱、日光により、ただのナトリウム(塩)になってしまい、効果がなくなるのでその点を忘れないように作業して下さい。
太陽光の当たるところでは濡れていても、どんどん効力が落ちてくるのでカビがひどければひどいほど重ね塗りをします。
苛性ソーダでキッチン換気扇周りの器具の浸け置き
下の画像は中華料理屋さんの業務用シロッコファンなので油の蓄積もハンパじゃないです。
↓苛性ソーダに浸していた部分は、油汚れが落ちています。この画像を見ると作業前段取りの浸け置きが、いかに大事なのか理解出来ると思います。
キッチンの換気扇、ガスコンロの五徳など、油汚れがひどい場合はバケツまたはプラ容器にカセイソーダを水で希釈し、浸け置き出来るものはしておきます。
10Lの水に50g~100g程度で試してみてください。コップ半分程度(水の量と汚れに応じて適宜加減して下さい)
※苛性ソーダに熱いお湯は突沸(爆発)します。
※大量の苛性ソーダに少量の水だとガスが出て吸い込むと危険。
換気扇羽は逆ネジなので考慮しておくこと。固着してネジを回すことが出来ない場合、ホットガンで金属ネジ部分を熱して下さい。
↓どうしても抜けない場合はプーラーを使い引き抜きます。
しかし、プーラーまで必要な作業となると、掃除屋の範囲を超えていますので元請けに連絡相談して指示を仰ぎましょう。
上記の例はまずアパートでは無いことですが、こういう手段もありますよと言う事です。覚えておくと助かります。ほとんどの場合レンジフード交換になるはずです。
次回は
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ハウスクリーニング空室清掃の方法は、1~7のシリ-ズとなっております。
これから起業する方は参考にして下さい。
より良いものにして行くため随時、見直しや加筆修正、変更があります。
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